休眠会社等の整理作業(みなし解散)と会社等の継続

12年以上登記がされていない株式会社、5年以上登記がされていない一般社団法人又は一般財団法人(休眠会社等)については、法律の規定に基づき、休眠会社等に対し、2か月以内に管轄の登記所(法務局)に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨が法務大臣によって官報に公告されます。また、休眠会社等に対し、管轄法務局からその旨の通知書が発送されます。

2か月以内に事業を廃止していない旨の届出等を行わない場合は、解散したものとみなされ、管轄法務局により職権で解散の登記がされる整理作業(みなし解散)が行われます。

(会社法第472条、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第149条及び第203条)

休眠会社等の整理作業(みなし解散)の対象となってしまったら

最後に登記をしてから12年を経過している株式会社又は最後に登記をしてから5年を経過している一般社団法人若しくは一般財団法人で、まだ事業を廃止していない場合は、公告から2か月以内に、怠っていた登記の申請(登記の申請準備が間に合わないようであれば「まだ事業を廃止していない」旨の届出)をしない限り、解散したものとみなされ、法務局により職権で解散の登記が行われてしまいますので、ご注意ください。

まだ事業を廃止していないにもかかわらず、何らかの理由で管轄法務局からの通知書が届かなかったとしても、休眠会社又は休眠一般法人の要件に該当する場合は、怠っていた登記の申請又は「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしない限り、解散したものとみなされて、法務局により職権で解散の登記が行われてしまいます。

※管轄法務局からの通知書が届かない理由としては、例えば、①本店(主たる事務所)を移転しているにもかかわらず、本店移転(主たる事務所移転)登記をしていない、②商号(名称)を変更しているにもかかわらず、商号変更(名称変更)登記をしていない等が考えられます。

なお、「まだ事業を廃止していない」旨の届出を行っただけでは、休眠会社等の要件に該当していることに変わりはありませんので、次回以降の休眠会社等の整理作業(みなし解散)において、法務局による解散の登記の対象となってしまいますので、早めに登記申請することをお勧めいたします。

※平成26年度以降は、法務局において毎年、休眠会社等の整理作業が実施されることになっています。

また、「まだ事業を廃止していない」旨の届出を行ったり、役員変更等の登記を行った場合であっても、長期間登記を怠っていたときは、100万円以下の過料の対象となりますので、ご注意ください。

みなし解散の登記後の会社等の継続

みなし解散の登記がされてしまった場合でも、みなし解散の登記後3年以内であれば、解散したものとみなされた株式会社は、株主総会の特別決議によって、解散したものとみなされた一般社団法人又は一般財団法人は、社員総会の特別決議又は評議員会の特別決議によって、株式会社又は法人を継続することができます。 

会社又は法人の継続の決議を行ったときは、2週間以内に継続の登記を申請する必要があります。

休眠会社等の整理作業を行う理由

会社法の規定では、株式会社の取締役の任期は、原則2年、最長10年となっており、取締役の変更や、同じ取締役が再度就任(重任)する場合にはその登記が必要になります。よって、取締役の任期ごとに(少なくとも10年に一度は)、取締役の変更の登記がなされるはずです。また、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の規定では、理事の任期は2年となっており、同様に少なくとも2年に一度は、理事の変更の登記がなされなければなりません。

取締役又は理事の変更に限らず、登記事項に変更があった場合には、変更があった時から2週間以内にその変更の登記をすることとされています。長期間登記がされていない株式会社、一般社団法人又は一般財団法人については、既に事業を廃止して、実体がない状態になっている可能性が高く、このような休眠状態の株式会社、一般社団法人又は一般財団法人の登記をそのまま放置しておくと、商業登記制度に対する国民の信頼が損なわれてしまうというのが理由です。

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